今週のNEWSWEEK、「クラウド化知的生産革命」という特集に惹かれて購入。
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2009年 10/28号
特集最初の「人類をリセットクラウド革命」の項がとてもおもしろかったです。
単体の存在から相互につながる情報の共有体へ
技術の進歩による「第4の革命」が人間の定義を覆す
というサブタイトルにはじまるこの項。印象に残った部分を抄録します。
コペルニクス以後、それまでの地球中心の宇宙観に太陽中心の宇宙観が取って代わり、人間を宇宙の中心から追い出した。ダーウィンはすべての生物種が自然淘汰によって共通の祖先から進化してきたことを示し、人類を動物界の中心から追い出した。そしてフロイト以降、私たちは精神も無意識の産物であり、抑圧という防衛機制に影響されることを理解するようになった。
つまり私たちは宇宙の中心に位置する不動の存在ではなく(コペルニクス革命)、他の動物たちと切り離された別個の存在でもなく(ダーウィン革命)、自分自身を完全に理解できる純粋な合理的精神などでは決してない(フロイト革命)。
(中略)
クラウド・コンピューティングは、この第4の革命の最も新しい現象だ。私たちは現在、コンピューターと最も相性がいい相棒はコンピューター自身だという事実を徐々に認識しつつある。コンピューターは人間を必要としない。それどころか人間は本来、コンピューターの輪の中にいるべきではない。クラウド・コンピューティングは、この輪の中から潔く出ていこうとする人間の初めての試みだ。
なるほど人類の歴史は身の程を知る歴史とでも言えましょうか、常に自分たちが孤高の存在であることを望みながらも徐々に現実を受け入れてきたわけです。最近はあまり聞きませんがコンピュータに対する人間のすばらしさ、みたいな変にコンピューターと競おうとする物言いはよくありました。人間はコンピュータなんかより立派だ、みたいな。
チェスとか将棋とかで人間とコンピューターを対戦させたりしますが、あれもコンピューターの輪に人間が意地張って座ってるイメージがあります。あんなのさっさと負けるべきなんでしょう。どっちが立派とかいうことではなくコンピュータに得意な分野はどんどん任せ、人間はその周りで人間にしかできない創造的なことをやりましょう、という至極まっとうな、適材適所の発想にようやく行き着くのだと思います。人類の自意識と現実の食い違い、という意味で地動説と対比したのはなるほどと思いましたね。
現在、大企業の時代から個人の時代へ向かってると思うのですが、これも人類の活動の中心が人の集合である企業ではなくコンピュータ(=クラウド)に置き換わり、個々人や企業はその周りで衛星のように活躍していくというイメージで考えると同じようなものかな、と思います。
で、前にあんまりネットに情報を預ける習慣がないみたいに書きましたが、最近ノートPCを持ち出して外で仕事することも増えてきたので、この記事で触発されたこともあって、ちょっと意識改革してクラウド環境に軸足を移してみることにしました。sugarsyncを本格的に使い始め、メールはGmail×IMAP×QMAIL3という環境にしました。しばらく試してみます。ちなみにこのQMAILはメールクライアントとしてはかなり軽くておすすめですよ!
やっと出たカブのイサキ(2)購入。
カブのイサキ(2)
前作のヨコハマ買い出し紀行と空気は似てるけど、しっとりしたストーリーが多かったヨコハマと比べるとだいぶコメディ寄り。どちらも好きです。ヨコハマ買い出しが「海」だったのに対してこちらは「大地」なので、対比としてはなるほど、といったところ。
#11の深夜から明け方にかけての表現がとても良かった。深夜のあの感じがすごく伝わってきます。芦奈野さんの作品はさらっと描いてあるんだけどツボを押さえているためか、読者の経験との相乗効果ですごく豊かなイメージが膨らむんですよね。
以前はよく一人旅とか島旅とかしてて、誰もいないようなところを自転車でまわったりしてたんですけど、「ヨコハマ買い出し」もこの「カブのイサキ」も読んでると自分のそんな思い出のいろんな場面がオーバーラップしてきて楽しいです。
隔月連載なのでなかなか次を読めないのが残念。次巻は一年後か?
SSLをいろいろ調べてみた。
有名どころのベリサインから、ジオトラスト、GlobalSign、RapidSSLまで。
この順で高い。
ベリサインは年間¥80,000程度~。
RapidSSLは年間¥6,000程度~。(今キャンペーン中で¥3,000~)
あまりに値段が違うので安いのは相当危険なんだろうか、なんて最初は考えてたんだけど、特に暗号化強度に差はなく、主に下記2点が価格差になってる模様。
- 対応端末の幅広さ
- PCブラウザは低価格のSSLでもだいたいカバーしてるけど、携帯電話を考慮するとやはり高いSSLの方が対応機種が広いらしい。特に古い携帯は。
- 実在証明
- 高いSSL証明書は、サイトを運営している会社が合法的な存在で、偽物などではないことまで保証してくれる。そのため登記簿謄本が必要な場合も。対する安価なSSLは暗号化するだけ。運営元がまっとうな会社かフィッシングサイトかは知らん、と。
通信を暗号化したい、ってだけなら別に安価なものでも安かろう悪かろうってことはなさそう。あとはブランドなんでしょうね。ベリサインのマーク貼ってある安心感とか。
しかし証明書ってみんなあんまりちゃんと見てないだろうし、「証明書に問題があるけどいい?」→「はい」を押すって流れが習慣化している現在、実在証明なんかはあんまり意味をなしてないような。
というわけで個人が小さくはじめたり、ネットショップで導入するなら低価格のものでもOKそうです。
詳しく知りたい人はSSL 価格差でどうぞ。
オンラインストレージをいろいろ検討してました。
有名どころのDropboxをはじめ、zumodrive、sugarsyncなど。
事の発端は「仕事するのにオフィスはいらない」で佐々木俊尚さんがオンラインストレージをかなり本格的に活用している、と書かれていたこと。
仕事するのにオフィスはいらない
いままで、どちらかというとネットサービスに情報をむやみに預けるもんじゃない派だったので「オンラインストレージで大半のデータを管理する」という発想が全くなかったのですが、佐々木氏曰く、自分のHDDが破損したり、ノートPCやUSBメモリが盗まれたり紛失したりする確率に比べれば、頑丈で厳重に管理されたデータセンターに預けちゃう方がよっぽど安全だ、とのこと。言われてみれば確率的にはなるほどその通りでしょうね。
ただ、amazonのウィッシュリストだだ漏れやgoogleマップでの非公開情報にアクセスできちゃった件など、いろんな事件を見ているとやはりネットサービスに大事なデータを預ける、ということに対してまだ不安はあります。でも考えてみれば我々は大切な自分の財産を銀行などという第三者に預けて当然のごとく安心しきっているわけで。大事な情報だからこそネットサービスに預ける、というのは今後むしろ一般的になっていくのかもしれません。
ネット上のコメントでは、オンラインストレージには漏洩しちゃ困るものは預けないように!なんて書き込みもよく見かけました。今の段階ではもっともですが、でもこういうサービスって漏洩しちゃ困るものを預けられないようではサービスとして不完全でしょう。仕事上の重要な取引データをどこからでも引き出せてこそ、の利便性なはずです。
まだ過渡期なので、「大丈夫だよ!」なんて無責任なことは言えませんが、情報をどこで管理するのか、そろそろ意識改革が必要な時期かもしれません。
将来的には保証制度も含めたサービスもあり得ますし、こういうサービスこそ、おおざっぱな欧米人よりも絶対止めない新幹線を作り上げた日本人の出番かもしれません。
…で、さっそく昨日からsugarsyncを使っているんですが、今日、なぜかアクセスできず「パフォーマンス上げるためのメンテナンス中」との画面が…。この手のサービスをメンテ理由で止めてしまうのはかなり問題だと思うのですが、やっぱり過渡期なんでしょうね。将来の発展に期待、といったところです。
前から気になっていたUQコミュニケーションズ。
いいかげん、快適なモバイル環境も欲しくなってきたのでTry Wimaxという15日お試しサービスを申し込んでみました。
で、使ってみたところかなり速い!
自宅で下り5Mbps程。近所のカフェとかでも試してみましたが、最速で下り7Mbpsくらい、最低でも2Mbps程度は出ました。同じ部屋でも窓際とか、場所によってかなりバラツキがある印象ですが、最低2Mbps出れば御の字。ちなみに23区内です。
自宅回線+モバイル+携帯とネット関連だけで3契約もするのはやだなー、と思っていたので、ついに家のADSL解約して自宅回線+モバイルは一本化できそう。
これであとはWimax対応の携帯端末が出ればIPフォンで電話もできちゃいますね。
漫画でも何でも、恋愛物は好きではないのでまず読まないのですが、そんな好き嫌いをぶち抜いて面白かったのがこちら。
午前3時の無法地帯(1)
なんで買ったのかといえばまたジャケ買いなんですが。カバーすばらしいです。
で、ジャンル的に疎いこともあって何がいいのかと言われると難しいのですが、なんというか、表現がいいのかな。本筋以外の部分でも楽しめるポイントが多いというか、小ネタとかキャラクターとか心情の描き方とかが魅力的で、漫画としての総合力がすごく高い気がする。一コマ一コマが楽しい。
ペンとチョコレート
↑新刊も買ったのですが、こちらも表現がいろいろ楽しい。
角砂糖の積み上げぐらぐらやスクリーントーンを選ぶシーンなど、かなり好きです。
主に女性誌で恋愛物を描いているようですが、もっと老若男女を問わず、広く活躍できる作家さんなのではないかと思いました。
ねむようこさん、今後の活躍に期待です。
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