2009/08/09(日)ネットが促進するのはオープンな社会か閉鎖社会か

2009/08/09 22:10 考察
おとといの続きだけれども。

例の書籍では、オープン化していく社会では日本人も欧米人のように見ず知らずの人を受け入れて信用していく方がいい、みたいな話でしたけど。それは同感で賛成なんですが、疑問もあります。
そもそも今の社会はオープン化していくんでしょうか?
まあ、昔の日本と比べれば、かなりオープンなように見えますが、しかし、ネットにより自在に情報が行き交うようになったことで世界全体が狭くなっているのも事実で、たとえ海外にいても個人の活動を検索したり追跡したりできてしまいます。
で、ここまで個人の活動が検索・追跡可能になると地球全体が所詮一個の閉鎖空間であることが浮き彫りになってしまうのではないかということです。
実際には地球上には広い広い大地が広がっているわけですが、ネットを使えば人間の意識は狭い空間にいるのと変わりないわけです。となるとこれはむしろオープンではなくて閉鎖社会に向かっているとも言えるのではないでしょうか。

日本人はネット上で匿名活動する人が多いですが、これはやはり海と山に囲まれ、やり直しがしづらい閉鎖社会で生きてきたことが影響していると思います。実名で活動してやり直しが効かなくなることへの危機感があるわけですね。一方で欧米人は実名での活動が多いと聞きます。私なんぞはつい、欧米人は実名で活動してて潔いな~なんて思ってしまうわけですが、もしかすると閉鎖社会の経験がないためにやり直しが効かなくなることへのリスク感覚が無いだけなのかもしれません。

もしネットがオープンではなくて閉鎖社会への道を促進するのであれば、そのうち欧米人も「昔ながらの、別天地に行けばいつでもやり直しが効くような感覚でネットで情報発信しちゃったけど、実名で追跡されちゃってやり直しがしづらいよ!困った!日本人みたいに匿名の方がいいぞこれは!」
なんてことになったりするかもしれません。

個人的にはオープンな社会にあこがれているので、地球全体が閉鎖社会になるというのはちょっと嫌なんですが・・・。ネットがオープンで大陸的な文化を促進するのか、それとも全体が閉鎖的で日本型の社会に行き着いてしまうのか、どっちの可能性もあるんではないかな、と思いました。
OK キャンセル 確認 その他